『思考の整理学(著者:外山滋比古、ちくま文庫)』の紹介マンガです。

■創作における悩み

僕はこの本を読むまで、学生時代からそれこそ10年以上悩んでいたことがありました。

・個性とは何か?

・自意識や主張こそが個性のような気がするが、、、素晴らしいと思う作品ほど作者の自意識や主張を感じないのは何故か?

・つまり主張は不要なのか?でもそうなると、個性は無くなるのではないか?

おそらく、みずから作品づくりをしたことがある人なら、同じような悩みを持ったことがあるのではないでしょうか・・・・?

■触媒としての個性

『思考の整理学』では、T・S・エリオットの「伝統と個人の才能」から下記を引用しています。

「詩人はつねに、自己をより価値のあるものに服従させなくてはならない。芸術の発達は不断の自己犠牲であり、不断の個性の消滅である。芸術とはこの脱個性化の過程にほかならない。」

「詩の創造に際して起こるのは、酸素と二酸化硫黄とのあるところへ、プラチナのフィラメントを入れたときに起こる化学反応に似ている」(この化学的知識は不正確ではあるが、要は創造と触媒反応の類似性を指摘している)

T・S・エリオットは、個性を表現するという常識に対し、個性を脱却しなければいけないという考え方を打ち出し、個性の役割は「触媒」であると考えたのです。

「私」という触媒があって初めて反応する素材があり、その反応の場を提供することこそが個性。その中でより良い組み合わせを見つけることが最優先であって、自分の主張は数多ある素材のひとつにすぎないよ、というわけです。

これを読んだとき「これだ!!!!!!」と衝撃をうけました。それまでの知識や経験や感覚が全て繋がったかのように感じました。作品づくりだけでなく、人間関係、組織づくり、全てに通底するように思います。

それ以来、作品や仕事で自分の主張に固執することをやめました。できないときもたくさんありますが。笑

あくまで主観は素材のひとつ。優先されるのは、いかにより良い組み合わせを見出せるか。それを楽しみながらやれたら最高ですね。それを毎日意識しながらマンガを描いてます。

そんなわけで、この本は僕の創作人生にとって転換点となった特別な本です。

他にも「アイディア出しは寝起きが最高、そのために朝ごはんは食べないor遅めに食べる」とか「アイディアはまず寝かせよう」とか、アイディア出しが趣味の僕にとって最高の指南書になっています。

ご興味がわいたら、ぜひこの本を手に取ってみてください^^

今日も読んでいただきありがとうございます!(^^)

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